算数を笑え。
新年早々、忙しい週なのであった。
今週やらないといけない作業をスケジュール表で確認してみると、月曜から金曜までの5日間で6日分もあるのである。
ちなみに、来週は月曜がお休みなので、火曜から金曜までの4日間会社に行くわけだが、割りふられている作業は5日分である。
端的にいえば、数があっていない。
大人の算数は、なんだか複雑である。
小学生の頃、算数ではゼロより小さな数字はないと教えられていて、ぼくはそれを素直に信じていた。
それなのに、中学生になると、数学の教師に、
「ゼロより小さな数字、それはマイナス」
……などと言われ、人より呑み込みが悪いことに関しては定評があるぼくはパニックに陥り、以降、文系としての人生を歩むことになったのだ。その後も、
「二乗してもなぜかマイナスのままの数字」
なんてのが登場する度、ただでさえひ弱な自分の中の地盤が崩れていき、それをがんばって修復したころには授業は先に進んでいて、落ちこぼれとしてのレベルを確実に上げていたのである。
年を取るほど、算数は複雑になっていく。
今日まで信じていた数字が、明日には別の顔をして現れたりするのだ。
算数はその変わり身を楽しむべきものであり、実生活上絶対使わなさそうな数字や関数は、SF小説のように面白がるべきもの……なのかもしれない。
まあ、所詮は落ちこぼれが想像していることなので、見当違いなことを書いているのかもしれないが。
ということで、算数をはじめたばかりの我が娘には、なるべく楽しんでほしいなあ、と思うのである。
そうすれば、大人になって、
「この仕事は0.09日、次の仕事は0.45日で終わらせてください」
などと言われても、笑って対応できるかもしれない。