平熱通信

ここは世界の片隅にすぎないが、いろんなことが起こる。

ワタシはだんだん眠くなる。

 髪を切った。

 かなり久しぶりなのである。

 根が無精者ということもあるが、それよりも何よりも、床屋は苦手なのだ。

 まず、床屋のお兄さんとの世間話が苦手だ。

 いいトシして、というより、トシをとるにしたがってアガリ性になっているようで、こういう時に何を話していいのか皆目わからないのである。

 それともう一つ、床屋が苦手な理由がある。

 何故だかわからないけど、床屋の椅子に座ると猛烈に眠くなるのだ。

 床屋に行く度、今日こそはちゃんと起きているゾ、と気合を入れたりしているのだが、あの椅子に座るともうダメである。床屋さんは、不安定にグラグラ揺れるぼくの頭を支えながら、髪を切らなくてはならないのだ。

 つまり、床屋さんにとって、ぼくがどういうお客さんかというと、

「何を話しても会話が弾まない上に、話すことがなくなって気まずい沈黙が流れはじめたと思ったら爆睡していて髪が切りにくい」

 ……ということになる。

 そういえば、昔、床屋さんに散発拒否をされたことがある。

 普通に生きている分には、あまりお目にかからない体験なのではないだろうか。