平熱通信

ここは世界の片隅にすぎないが、いろんなことが起こる。

越えられぬ壁。

 会社の先輩二人と飲む。

 僕が一番年下なのだが、みんな充分にオッサンである。

 話題もそれなりにオッサンくさい。

 飲むのはもちろん焼酎だ。

 どちらかというと、オッサンくさい話題のほうがなじみやすいので、年下の人と飲むより年上の人と飲むほうが気が楽なのだが、今日は、オッサンとしてはまだまだ若輩者だということを痛感することがあったのだ。

 先輩方は、吉田拓郎を「タクロー」と呼ぶ。

 それも、無理なく、自然に、親しみを込めて。

 あまりにも自然な言い回しで、「そういえばタクローがさ」などと言うものだから、最初は、どこのタクローさんだかわからなかったくらいだ。

 親しみを込めて、苗字ではなく名前で呼べる人って、僕にはいるだろうか。

 今のところ、妻子くらいしか思いつかないのだが。

 あ、あと実家にいる猫も。