平熱通信

ここは世界の片隅にすぎないが、いろんなことが起こる。

じっと手を見る。

 右手に携帯電話を二つ持ち、左手に持った携帯電話で会話しながら、小走りで移動しているサラリーマンを見た。

 使う用事があるからこそ、三つも携帯を持っているのだろうが、一つしかない携帯電話でさえめったに会話に使わない僕としては、驚愕、というか、唖然、とする光景であった。

 左手の携帯電話での会話が終了しないうちに、右手の携帯電話が鳴り出したらどうすればいいのだ、それも二つ同時とか。

 ……などと、何も握られていない右手をじっと見つめてみたりしたのであった。