平熱通信:旧

ここは世界の片隅にすぎないが、いろんなことが起こる。

痛いのはイヤ。

 通勤電車で見た広告に、「ビールは大好き、でも、痛いのはイヤ」というようなことが書いてあった。

 ぼくの視力の限界ギリギリのところにあった広告なので、かろうじて読めたのはこのコピーだけである。なんとなく、女性向けっぽい色合いというか雰囲気だ。

 ビールを飲んで痛い、というのはどういう状況なのだ。

 喉とか、食道とか胃腸に病気があると、痛いと感じたりするのだろうか。

 それとも、ビール独特の苦味と刺激を「痛い」と称して、そのへんがマイルドな新製品の広告なのだろうか。

 などなどいろいろ考えてみたのだが、再度その広告を見てみたら、

 「ヒールは大好き、でも、痛いのはイヤ」

 ……と書いてあった。

 そうか、ヒールって痛いのか、なんとなく痛そうだよな、よくわからんけど、と思った。