平熱通信

ここは世界の片隅にすぎないが、いろんなことが起こる。

ペンの握り方についてのささやかな疑問。

あまりにも小さな問題なのでちょくちょく忘れてしまうが、その問題は頭から削除されることなくどこか片隅にひっかかっており、なにかの拍子にふと思い出す。

 

あ、そういえばこれって疑問に思っていたんだよ。

いまちょっと手が離せないから、あとで調べよう。

 

……というようなことを考えたりするのだが、その「あと」になったときにはすっかり忘れてしまい、問題は振り出しに戻る。

 

たとえば、ボールペンのクリップ問題である。あと、シャープペンシルのクリップも問題だ。詳しくいうと、ペン先の反対側の先部分にクリップが固定されているタイプが問題なのである。キャップにクリップが付いているボールペンなんかはここには該当しないということだ。

 

僕は、ペンを握ったときのクリップの向きは、上向き派なのである。

強いこだわりがあるわけではなく、なんとなくその方がおさまりがいいかな、というくらいの弱い理由でそうしているのだ。

こだわりはないけれど、クセにはなっているので、クリップが下を向く、つまり、親指と人差し指が合体したあたりにクリップが触れたりすると違和感がある。そういう体になってしまっているのだ。

 

ところが。

手持ちの数種類のペンを確認しただけなので、統計的な信憑性は乏しいのだが、ペンって、クリップが下向きの状態で握るほうが正式なのではなかろうか、というような気がしてきたのだ。

ペンに入っているマークや商品名の向きは、クリップが下向きのときに正しくなる(右利きの場合は、だが)。ペンの中の芯の状態がわかる小窓がついているシャープペンシルだって、クリップを下向きにして持たなければ小窓を覗くことができない。

繰り返していうが、世の中のペンがみんなそのような仕様かどうかはわからない。

ただ、少なくとも、我が相棒たちはそうであった。

 

正式だろうがそうじゃなかろうが、体が覚え込んでしまった握り方を今さら変えるのはかなり困難なようだ。たまにクリップを下向きにしてペンを握ってみるのだが、30秒くらいでクリップに触れている部分がむずむずしてくる。そうなると頭の中は「今、私はむずむずしている」という情報でいっぱいになり、そのうち、何の用があってペンを握ったのかすら忘れてしまいそうになる。

そこまでして矯正する気にはならないので、これからもクリップ上向き派として生きていくつもりである。

正直なところ、ペンを握る人はおおむねクリップ上向き派だと思っていたところもあるので、そうでもないらしい、という可能性を知った時点でかなりのカルチャーショックを受けている。

 

その辺の人にペンの握り方について聞いて回りたい自分がここにいる。

いつか徹底的に調べてみようか、と大いに盛り上がっているのだが、この文章を書き終えてしばらくしたら、すっかり忘れているような気もしないでもない。