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平熱通信

ここは世界の片隅にすぎないが、いろんなことが起こる。

秘密の万年筆。

雑記

昨日、素敵ノートについて書いたついでに、今日も字が上手くない人間の煩悩について。

 

今日のお題は、万年筆なのである。

あのさらさらとした書き心地は、大げさにいえばちょっと麻薬的で、一度知ってしまうとクセになるところがある。

紙にペン先をあて、すーっと動かしてみる。

さっきまで液体としてペンの中に納まっていたインクが、紙の上に流れ出て、あっという間に線になる。すーっという音が聞こえるようだ。

紙とペン先がこすれるときの軽く小さな音も心地いい。

……とまあ、それほど使う機会のない僕ですら、これくらいのことは書けるくらい、なんといいますか、生理的に気分がいいのが、万年筆なのである。

 

字が上手くない人間だって、たまには万年筆を使いたい。

ただ、字が上手くない故に、多額の投資をする勇気はない(いや、そもそも多額の投資には縁がない人生ではございますが)。

つい、あの心地いい書き心地の結果として生み出されたアウトプットがあれ(自分の書いた字)ではなあ、という気持ちになってしまうのだ。

 

とはいいつつ、数年に一度、ふと魔が差すことがあり、いくつかのメーカーから発売されている「お子様がはじめて使うための万年筆」をこそこそ購入し、深夜、家族が寝静まったあと、こそこそとノートに文字を書き込んだりしてしまうことがある(なぜそこまでこそこそしなければならないのだ)。

そういうときに使うノートは素敵ノートだ。

おぼろげにしか形を覚えていないような難しい漢字を無理やり書こうとして、結果、今までに見たことのない新しい漢字を発明してしまったとき、それが素敵ノートに万年筆で書かれたものであれば、それをごまかすために塗りつぶした筆跡すら味わいがある……と思う。

ひとしきり落書きみたいなものを書き込んだあと、万年筆にキャップをして、やっぱ気分いいなあ、とかつぶやきつつ、秘密の引き出しにしまう。

そして、我ながら何やってるんだ、と思ったりもする。

 

秘密の引き出しといえば。

お子様向け、というか、初心者向けの万年筆として、パイロットのカクノとラミーのサファリを持っているはずなのだが、サファリがどこにも見当たらない。

サファリは万年筆の他にシャープペンシルを持っていて、現役選手として愛用中なのだが、それはそれとして万年筆がどうしても見当たらない。スケルトンのやつを買ってしまったばっかりに、キャップの裏側についたインクの汚れがモロに見えていて、ストレートにいうと大変汚らしいのだが、そこも含めて気に入っているのだ(ちなみに、この「汚らしいけどいい」という価値観は他人にはなかなかわかってもらえない)。

 

あ、そうだ。

サファリのシャープペンシルは、本体にクリップがついている。

ボディのペン先近くは、指を置くベストポジションがわかりやすいようなデザインになっていて、特に意識をしなくても、自然に(メーカーが思うところの)正しい持ち方ができるようになっている。

で、この「正しい持ち方」をすると、クリップは上を向くのである!

わーお!

なんで先日の調査で見逃していたんだ!(たまたま行方不明になっていたのです)

 

……。

……。

 

ま、世界にひとりくらい、ペンのクリップの向きに一喜一憂する人間がいてもいいだろう。

今静かに、「国内メーカーと海外メーカーで、クリップに関する考え方が違うのだろうか」みたいなことを考えたりしている。

どっちでもええやんけ、という話なんだけれども。