おなじ話。
大好きな本があり、
大好きな音楽があり、
大好きな映画があり、
大好きな食べ物があり、
大好きな場所があったりする。
それらの大好きなものたちの中に、
毎日でも読みたい本があり、
毎日でも聴きたい音楽があり、
毎日でも観たい映画があり、
毎日でも食べたい食べ物があり、
毎日でも行きたい場所がある……ことがある。
毎日毎日飽きないのか、と問われれば、そりゃあまあ、ものすごく斬新だとか、すげえ美味い、ということはないんだけど、でもなんかいいんだよね、とかなんとか言い訳がましくつぶやいてしまうようなものがある……ことがある。
長いつきあいの友人知人に、そういう人がいないだろうか。
会うたびに同じような話しかしないのだが妙に楽しいあの人、みたいな。それこそ、話の前ふりからオチまで毎回いっしょ、みたいな話ばかりしているのに、あはあは笑いながらビールを飲んでしまうような、そんな友人。
この世界には、新品の頃と比べれば少し色あせているけれど、ずっと魅力を失わない、というものが確かにある。そういうものは、どうしてそうなるのだろう。そうならないものとそうなるものは、どこが違うのだろう。考えると不思議な気持ちになってくるが、なんとなく、そうなるものは人によって違うのだろうなあ、という気はする。
真新しくもピカピカでもないけど、いつもそっとポケットに入れておきたくなるものがあり、そういう人がいるならば、できるだけ長いことポケットに入れておこう。
たまにポケットから取り出しては、「ふふふ」と笑いながらいつもと同じ話をする。
そうしたらきっと、いつもと同じようなことがはじまり、同じように終わり、同じように笑ったままでいるのだろう。
……とまあ、いつも通り考えはうまくまとまらないのだが、こういう「感じ」については、ちょっと丁寧に考えていきたいような気がしてきましたよ。
もちろん、真新しいものやピカピカしたものだって好きなんだけどね。