夏なんです。
会社の休憩室から見える空がすっきりと青く、おまけにやたらと立体的でもくもくとした入道雲がどーんと盛り付けられていると、条件反射的に「すげえなあ」と思うのだ。感動する、というほど大げさではないのだが、でも、正直なところ、少し心が動かされてしまうというか。
能天気っちゃあ能天気なことではある。
「空が青いなあ、雲が白いなあ、きれいだなあ」
……大の大人がなにを言っておるのだ。
そもそも、自分、めっちゃインドア派やないか。
「青い空、白い雲、海!」
とか、
「青い空、白い雲、山!」
とか、そういうタイプではなく、
「青い空、白い雲、ああそうですか!」
というような属性の人間やないか。
(いや、中途半端に関西訛りを入れる必要はないのだが)
入道雲のボリューム感がいいのだろうか。
それとも、青と白の組み合わせがいいのだろうか。
日頃ついつい忘れがちな空の大きさを再認識する驚きかもしれない。
……とかなんとか。
ついつい心を動かされてしまった大の大人は、屁理屈をこねながら照れ隠しに必死なのであった。