平熱通信

ここは世界の片隅にすぎないが、いろんなことが起こる。

正しい火曜の脱出方法。

さすがに火曜日ともなると連休ボケも多少は癒えてきている(ここにきて完治していないのがすごいっちゃすごい)。
なので、昨日よりは多少元気に、少しアクティブな気構えで過ごす。
元気といっても普通の人の半分程度。経験則的に張り切るとロクなことがない体質なので、なるべくフラットに、平熱維持を目標に。ガラにもなく張り切ったりすると、あとあと後悔したり悔んだり、自分内反省会の時間が長くなってしまう。

台風近し、ということで、作業を途中で打ち切って、はやめに帰ることになった。
帰宅途中に雨風が激しくなり、交通機関に影響を与えないとも限らないからだ。
なんとなく観察してみると、こういうときに率先して帰るのは年長者が多いように見える。若い人は気が引けて我先に帰りにくいということもあるのだろうが、年長者の場合、ただでさえたまっている1日分の疲労に追加して、帰宅にいつもより時間がかかることでの消耗を無意識のうちに計算して、体力的な危機を感じて早帰りを決行しているのかもしれない。無理の利かないお年頃なのである(あくまで予想です)。

会社の場所は海に近く、帰宅時点ではまだ雨は降っていない。今回の雨雲は海からやってくるらしいので、しばらくすれば雨が降りはじめるのだろう。携帯のお天気アプリによると自宅近くにはまだ雨雲はないが、これからの予想進路によると、そのうち濃い雨雲がやってくることになっている。雨雲に追い付かれないように帰れればこちらの勝ちといっていい。
電車の中で時々お天気アプリを確認する。雨雲は千葉方面を手中に収め、着々と我が自宅方面に勢力を伸ばしている。
ぐぬぬ、恐るべき奴」
などとつぶやいてみるものの、こちらとしては単に電車の乗客である。おとなしく携帯のゲームなどして過ごすしかないのであった。

鉄道各線の健闘むなしく、自宅の最寄り駅のホームに降り立ったとき、雨雲は我が町をすっぽりカバーしていたのであった。雨はまだ小降りだが、そのうち大雨になるのだろう。
傘を差し、早足で自宅に向かう。

予想に反して数分歩いても雨はまだおとなしい。自宅まであと50メートルくらいか。お、これはひょっとすると……と思った矢先、突然雨足が強くなった。ビニール傘にあたる雨粒が大きくなり、しっかり支えないと傘がぶるぶると震える。アスファルトからはね返る雨が足を濡らし、膝から下がぐしょぐしょになる。
ゴール直前でなんたる仕打ち。

「ひどいよ、あんまりだよ、そんなのってないよ」

などと独り言を言いながら、ラストスパートをかけるのであった。

結論。
次にこういうことがあったら、年長だろうがなんだろうが、誰を差し置いてもはやく会社を出ることにする。