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平熱通信

ここは世界の片隅にすぎないが、いろんなことが起こる。

水雲。

「水雲」と書いて「もずく」と読む。
そう、あの、「もずく酢」の「もずく」である。
漢字で書くとこういうことになるらしい。想像以上にかっこいい、というか雰囲気がある、というか、いや、今までけっしてもずくをなめていたわけではないのだが、「なんかすいません」という気持ちにさせられる。
(あれ、させられませんか?)

たとえば、何かのきっかけでもずくと友達になったとしよう。いや、現実にはそんなことないけど、そういうことにしよう。
初対面の彼(今回はとりあえず男性という設定にします)が、
「はじめまして、もずくでーっす」
と言うのと、
「僕の名前? 水と雲で、水雲。不思議な組み合わせだよね(フッ)」
と言うのではだいぶ印象が違わないだろうか。

ところで、もずくといえばもずく酢である。
あれは、個人的な好みをいえば、ずぞぞぞぞと音をたてて食べると美味い。
箸やらスプーンやらを駆使してちまちまと食べるのではなく、小鉢から直接ずぞぞぞぞと食べ(いや、これはもう飲んでいるのか)、時々酢にむせたりするのがいい。
おそらくとてもお行儀が悪い食べ方だろうから、特におすすめはしないけれど。

ところで。
もずくはてんぷらにして食べることもある、ということを最近知った。
そもそも、野菜でも海藻でも、「草っぽい」ルックスのものはだいたいてんぷらにすると美味いような気がする。意地の悪い言い方をすれば、「あの衣をつけて揚げれば、たいていのものはそこそこ美味くなるんじゃないの?」ということだ。道端に生えている雑草でも、てんぷらにしたらそれなりに食べられるのではないだろうか。

もずくのてんぷらが、そういう「衣とちょっとした歯ごたえとタレの味で食べてしまおう」という消極的なてんぷらではなく、「揚げることでもずく酢では体験できなかった新たな味わいが……」という、攻めたてんぷらだったら。
もしもそういうものだったら。

そんなもん、食べてみたいに決まっているじゃないか。