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平熱通信

ここは世界の片隅にすぎないが、いろんなことが起こる。

胡桃。

「胡桃」と書いて「くるみ」と読む。
まあ、もずく(水雲)ほどの驚きはない。

くるみといえば、つい考えてしまうのが「ミックスナッツの中での嬉しい度ランキング」である。
ミックスナッツといえば、くるみ、カシューナッツ、マカダミアナッツ、アーモンドあたりがレギュラーメンバーだと思われるのだが、ことミックスナッツというグループの中だけでいうと、くるみはなんとなく嬉しい度ランクが低いような気がする。
ミックスナッツの袋に指先を突っ込んで、出てきたものがくるみだった時。
「あ、くるみか……」という気持ちにならないだろうか。
これがカシューナッツあたりだと、思わずにんまりしてしまうところを、くるみが出てきたばっかりに、
「あ、くるみか……」
みたいな、「まあ出てきてしまったものはしょうがない、受け入れましょう」というような気持ちにならないだろうか。

ではくるみが嫌いなのかというと決してそんなことはなく、むしろ好きなのだ。パンや焼き菓子にくるみが入っていた日にゃあ、その日あったイヤなことをすべて帳消しにしてもいい……とまではいわないまでも、「うむラッキー」と小さくつぶやくほどにはうれしいものだ。

ではなぜ、ミックスナッツのなかでくるみの評価が低いのか。
というか、何の調査も統計もしないまま低いという前提で話を進めているが、こちらとしても今さら後には引けないので、もしも異論がある場合は、これはパラレルワールドで書かれた文章だと思ってご容赦いただきたい。あなたの世界ではくるみがミックスナッツ界でのナンバーワン・ナッツかもしれないが、この世界ではそうではないのだ。「二軍」、「前座」、「地下アイドル」と、書いている当人も例としてふさわしいのかどうかよくわからないが、とにかくそういう存在なのである。

思うに、くるみ独特のあの薄皮みたいなもの、あれがイマイチなのかもしれない。通常時には特に気にしない存在なのだが、時々、あれのせいでむせてしまうのは僕だけだろうか。
それとも、くるみの実力という問題ではなく、カシューナッツ、マカダミアナッツのオーラが強すぎるのか。

それとも、あれか。やはりあの、ルックスの問題か。

砕く前のくるみの実は、脳に似ているような気がする。
ミックスナッツとは直接関係のない話になってしまうが、くるみの殻を割って中の実を取り出すときに、なんとなく骨格標本を思い出してしまうのだ。
骨格標本の頭蓋骨部分をぱかっと開けた、その中に脳がパズルのように納まっている、あの状態。

ミックスナッツの中のくるみは、比較的、脳の再現度が高い(と思う)。
もしかすると、ひょっとすると、そういう要素が深層心理に働きかけて……というのは考え過ぎですね、きっと。