平熱通信:旧

ここは世界の片隅にすぎないが、いろんなことが起こる。

天気読み。

「天気の話」というと、話すことがないときに出す話題の代表選手みたいなところがある。
「天気の話」というキーワードでネット検索すると、「会話ネタに天気はアウト」とか「すぐに天気の話をする人は要注意」とか、とにかく「(話が下手な人だと思われたくなかったら)出してはいけない話題」として「天気の話」がばんばん引っかかってくる。特に社会人は、天気の話ばかりするようでは相当ダメらしいのである。

という状況がある中で、僕は毎日飽きもせず、夕方になると天気の話をしている。平日の仕事中、そろそろ今日の退社時刻について考え始めるタイミングだ。
会話は(基本的には)ひとりではできないので、僕は、というよりは僕を含む数名のグループは、ということになるのだろうが、まあとにかく、最近の夕方の話題は天気ばかりである。
要はこれから帰宅するまで雨が降るのかどうか、帰宅時に傘を持って帰るか否か、というような内容なのだが、そういう話題が毎日続くほど、最近の天候が安定していないということなのだろう。安定していないだけならともかく、降ったら降ったで強風を伴う強い雨になることもあるので、交通機関への影響もチェックする必要がある。雨が止んだと思って油断していたら、その雨の影響で電車が止まったり遅れたりしていることもあり得る。帰宅のための時間が多めに必要になるということではやめに退社するか、それともあえて遅めに退社することにして、事態が落ち着くのを待つか。意外と考えることは多い。

携帯の天気予報アプリや交通案内のアプリを眺めつつ、最近の天気はどうもねえ……というような会話をする。アプリに表示されている雨雲レーダーの様子から、素人予想を立ててみたりもする。
そんなことをしているうちに、妙に天気関連に興味がわいてしまい、気象予報士の資格ってどうやったら取れるのかしら……などと調べてみたのだが、あの資格ってかなり取るのが難しいらしいですね。ちなみに合格率は5%前後らしい。サラリーマンがちょっと興味がわいたくらいで狙ってはいかん資格のようだ。

そんな会話をしている僕たちを、どこかの席から冷ややかな眼差しで見ている人がいるのかもしれない。
社会人がする天気の話は相当にタブーらしいから、「あいつら相当ダメだな」などと思われているのかもしれない。それどころか、「あいつら相当ダメだなw」とか「あいつら相当ダメだな(ワラ」とか「あいつら相当ダメで草生える」とか「あいつらが相当ダメな件」とか思われているかもしれない。
まあ、どう思われていてもいいっちゃあいいのだが、天気の話も本気でするとけっこう面白いですよ。