平熱通信

ここは世界の片隅にすぎないが、いろんなことが起こる。

いっそ初秋の季語にしよう。

「あの話題のスマホ」こと、新しいiPhoneが発表された(おお、時事ネタだ)。
iPhone発表のちょっと前から発表当日までの期間限定ながら、毎度毎度必ず目に触れるのが「あの話題のスマホ」というキーワードである。
僕が利用しているauからも、「あの話題のスマホに機種変更しませんか」というようなメールが来たりしたのだが、「名前も明かせぬような機種に変更できるか」と言いたくもなる。

「オレが発表する前にお前がiPhoneって言ったら泣かす」というような約束がappleさんと携帯電話各社さんとの間で交わされているのだろうが、なかなか面白い慣習ではある。
ちょっと興味のある人なら、みんなiPhoneだって知っているのに、それどころか、新しいiPhoneに追加される新機能も半分くらいわかっているのに、約束はきっちりと守られている。近所の携帯電話ショップのお姉さんも、街頭で「あの話題のスマホ、今なら予約できまーす」みたいなことを言っていたくらいだから相当徹底している。 これはつまり、「ハリー・ポッター」でいうところの「決して名前を言ってはいけないあの人」だ。その名前をみんな知っているけど、誰も言わない。
これは個人的な希望なのだが、こんな妙な慣習、なくすのは惜しい。世の中には変なモノがある程度必要なのだ。みんなが知っていることを、みんなで一生懸命知らんぷりしているなんて、なんか微笑ましくていいじゃないか。
今後、もしもiPhoneの人気が凋落し、世の中の関心がどん底まで落ちたとしても、appleさんと携帯電話各社さんががっちり協力して、できるだけ長く続けてほしいものだ。
その時は「あの、今となってはそれほど話題になってもいないスマホ」という言い方になっているかもしれない。ショップのお姉さんが舌をかみそうだ。