平熱通信

ここは世界の片隅にすぎないが、いろんなことが起こる。

完全犯罪成立間近。

実は、先週金曜の夜から、我が家にはPlayStation4という機械が置いてあるのである。ちなみに家族はまだ知らない。
最近、ぐっとお安くなったということで、ついに購入に踏み切ったのだ。思えば、僕が自分の為にテレビゲームの機械を買うのは初代PlayStation以来ではなかろうか。娘がWii Uとか3DSとか持っていたりするので、そういったハードウェアにまったく縁がなかったわけではないが、ソニー製品独特の、ちょっとカッコつけたようなすかした雰囲気は、「おお、これこれ」と気分を盛り上げるのだ。

金曜、会社の帰りに本体とソフトを買い、帰宅後、何かを隠したいときに使う我が家の秘密スポットにそれをしまう。で、家族が寝静まり、僕の起床時刻となる早朝に、こそこそと設置。
接続はテレビではなく、僕のパソコンのモニターにした。パソコンと同じ棚に本体を横置きし、その上に生命保険会社から来た大きめの封筒を無造作に載せておく。ちょっとしたカモフラージュだ。
この一連の計画に特に深い意味はなく、家族が偶然これを見つけたらびっくりするかな、というくらいの小規模なサプライズ企画のつもりだったのだ。

そんなこんなで、今日が月曜である。
家族がPlayStation4に気付く様子はまったくない。僕のパソコン周辺など、家族にしてみればまったく興味のないスポットだろうから、難易度はちょっと高めだったのかもしれない。仕掛け人としては大成功、と言いたいところだが、バレない以上、黙っている他ないわけで、この状況は、けっこうつまらないものだ。しょせんは狭いマンションなので、そう時間をかけることなくバレると思っていたのだが。

今朝などは、リビングのテーブルの上にコントローラーを置いておいたのだが、まったく反応がない。
おそらく、僕がパソコンで『ドラゴンクエストX』を遊ぶときに使っているコントローラーだと思っているのだろう。僕にしてみたら全然違う形に見えるのだが、ゲームのコントローラーにそれほどの興味がなければ、同じように見えるのかもしれない。
それで思い出したのだが、会社の先輩がたいそうなヘッドフォン・マニアで、奥さんに隠れて70個だか80個だかのヘッドフォンを所有しているのだ。で、その日の気分によって、コレクションの中からヘッドフォンを選び、通勤時に使っているという。つまり、隠れているというわりには、おおっぴらにコレクションを披露しているのだ。
「そんなことして、よく奥さんにバレませんね」
と、その昔質問したことがあるのだが、その回答はとてもシンプルで、そこにはある種の真理が存在していた。
その回答はこうである。
「ヘッドフォンの色が黒ければ、全部同じに見えるみたい」
なんて大ざっぱなモノの見方なんだ、と思わなくもないが、そういえば、前髪をかすかに切ったことに気付かない男子に対して立腹する女子、という定番化された事件も、同じようなカテゴリーなのかもしれない。ちなみに僕はその手の変化にはまったく気づかないタイプである。奥さんのヘアースタイルに若干の変化があったとしても「誤差の範囲」で片づけてしまうようなところがある。これも相当に大ざっぱな話なのだろう。

明日、娘の定期試験が終わる。
そのタイミングで、今回の完全犯罪について白状することにしよう。