青い鳥はそこにいた。
「灯台もと暗し」といえば、身近なことがかえって気づきにくいこと。
「灯台モトクロス」といえば、灯台のそばでモトクロスをすると危ないですよ、ということ(……すみません。どうしても書いてみたかったんです。ただの駄ジャレです)。
ちなみに、「灯台もと暗し」は、英語でいうと、
The darkest place is under the candlestick.
というらしい。一番暗いのはろうそく台の下だ、というような意味のようだ。
……というようなことを、「おでんの鍋の半分はちくわぶでいい」と言い放つ娘の顔を見ながら、ぼんやりと考えていたのであった。
まさに「灯台もと暗し」ということなのだろう。こんなところにちくわぶ派がいるとは思っていなかった。娘はそもそもおでん自体それほど好きではないのである。そんな彼女がもしもおでんを食べなければいけないのであれば、ちくわぶ率50%を要求したいらしい。
ちくわぶが好きすぎて、学生時代、ちくわぶだけのおでんを作った僕には何を言う資格もないが、なんというか、彼女はこういうしょうもないところばかり僕に似ているような気がしてならない。もっとも、じゃあどういうところが似て欲しかったのかといえば、そんなところはないのだが。
ところで、ちくわぶだけのおでんとは、それはつまり単にちくわぶの煮物なのではないか、ということに気づいたのはずいぶん後になってからのことだ。
若かりし頃、ひとり暮らしをしたらぜひやってみたいことたちのひとつだったのである。それもかなり高い順位だったのだ。
何やってんだオレ。