平熱通信:旧

ここは世界の片隅にすぎないが、いろんなことが起こる。

平熱通信は二度死ぬ。

なにやら物騒なタイトルを付けてみましたが、古い映画のタイトルをパクっただけです。
二回目の最終回ということで、ふと思いついてしまいました。ちなみに元ネタは『007は二度死ぬ』なのですが、実は観たことはありません。

いや、そんなことはどうでもいいのです。

先月まで、こつこつと毎日(いや、多少はズルもしましたが)更新していた当「平熱通信」なわけですが、不思議なもので、書いた文章の量が増えれば増えるほど、上手く書けたがどうかわからなくなりました。こういうのって、書けば書くほど上手くなると思っていたので、これは意外な現象でした。うーむ、世の中そう簡単にはいかないものです。

しょせんは素人のやることなので、上手くできたかどうかなんてそんなに気にする必要もないのですが、なんとなく、今回に限って「どうせなら上手くなりたいなあ」と思ってしまい、その上、なんとなくこのまま続けても上手にはならないような気までしてきて、ふと、最終回にしてみました。これまた個人的には意外な現象でした。僕はかなりの怠け者なので、練習してまで何かが上手くなりたい、というようなことをほとんど考えたことがないのです。まあ、これはこれで人間としてどうなのか、という話になるのかもしれませんが、とりあえず今回はそこには目を向けないことにしましょう。

で、今日までの一ヶ月弱、「はてさてどうしたものか」などとぼんやり考えていたのですが、いくつかの小さなアイデアはあったものの、この問題を根底から解決するような、なんというか、音に例えると、
「どかーん!」
とか、
「ばばーん!」
とか、
「ちゃらららっちゃっちゃっちゃー」(ドラクエでレベルアップしたときの音のつもり)
というようなアイデアは浮かびませんでした。

ここまで浮かばないとなると、今後100年考え続けてもいいアイデアは降ってこないかもしれない(今、ちょっとかっこいい書き方しました)。そもそも、そこまで長生きする自信ないし。考えるのも飽きてきたし。……ということで、いくつかの頼りない小さなアイデアを頼りに、とりあえず新しいブログを作ることにしました。
アドレスは既に取得してあって、

citron.hatenablog.com

……というのですが、今見ても何もない……はずです(さっき、レイアウトを確認するためにサンプルで書いていた記事は全部削除したはずなので)。
開始日は、11月22日3時3分にしようと思っています。この平熱通信の開始日が、たまたま去年の11月22日だったということと、数字が並ぶと面白いかなということ以外、特に意味はありません。
意味がないのはいいのですが、今のところ何も記事が用意されておらず、これまた今のところ特にネタもないというのは少し問題かもしれません。あと、さっき不要なサンプル記事を削除した時に、できれば消えて欲しくなかった設定項目的なものも一緒に消えてしまったような気がします。まさか、スタート前から全身にいやな汗をかくことになるとは。そして、適当に決めた日時にここまで苦しめられるとは。
もはやデトックス効果を期待できそうな汗の量です。

さてさて。
新しいブログの名前は「CITRON」といいます。「シトロン」と読みます。イメージキャラクターは白い豚ちゃんで、名前は「しろとん」といいます。本当はイラストにしてブログのマークなんかにできるといいのですが、僕は絶望的に絵心がないので、しろとんちゃんは僕の頭の中にしかいません。残念。
初回からいきなりごたごたしてますが、よろしくお願いいたします。平熱通信とほとんど同じですが、少し違うブログになる予定です。

「ありとあらゆる種類の言葉を知って/何も言えなくなるなんて/そんなバカなあやまちはしないのさ!」
小沢健二『ローラースケート・パーク』)
……昔の歌の歌詞を引用したりすると、ちょっと頭がいい感じに見えるかなと思って、唐突にやってみました。

これも東京。

「おでん種のちくわぶは、買ってまで食べたいとは思われない不憫なやつ」
「それどころか、「ちくわぶが好きだなあ」などと発言したら、笑われたり馬鹿にされたりすることもある」

……というようなことを先日書いたわけだが、少なくとも我が家付近では普通に買える食品なのである。
コンビニおでんの仲間にも入っているし、スーパーのおでん種コーナーで、ちくわぶが置いていないところを見たことがない。
「買ってまで食べるものではない」わりには「どこにでも置いてある」というのが、ちくわぶの面白いポジションであるといえる(もちろん、僕の数少ない知人の声と、狭い行動範囲内での印象でしかないのだが)。
ふと気になって、インターネットで「好きなおでん種ランキング」的なサイトをいくつかみつくろって確認してみたのだが、大ざっぱにいって、ちくわぶの順位は低い。僕が見たサイトでの平均でいえば、15位くらいなのではないだろうか(そのかわり、ランクインしていないサイトもなかった)。
メンバーには入っているんだけど人気がない。いってみれば、大所帯の女性アイドルグループで、結成時から在籍していたにも関わらずなかなか注目を浴びることができないでいる娘のようなものなのかもしれない(例えがおかしかったらごめんなさい)。アイドルとして活躍できなかったら、(それはそれで簡単なことではないのだろうけど)思い切って卒業して別の道を歩むこともできるかもしれないが、ちくわぶはおでんを卒業しても他の道は見つけにくいような気がする。

ところで。
これまた近所のスーパーでの調査結果なのだが、おでん種を数種類セットにした商品をいくつか確認してみたところ、だいたい5個から8個あたりが一人前の目安のようだ。ということはつまり、ランキングでベストテンに入るのも危ういちくわぶが、おでん一人前のメンバーに選ばれる可能性は高くないということになる。
全国規模のランキングの結果を見れば、そういう結論になるだろう。

あれやこれや書いてみたが、結局のところ、ちくわぶは東京のローカルな食べ物なのだ。
あえて言えば粘土のようなあの素材感と、独特の食感は、子供のころから親しんでいないと好きになりにくいのかもしれない。
東京に住んでいて、ちくわぶ否定派の声をたくさん聞くというのは、つまり東京がそういう街だということだ。いろいろなところから集まった人が住んでいる街だからこそ、そういう声が聞こえてくる。そういう声が世論を動かし、ちくわぶが販売禁止になる……なんてことが起きるとファンとしては困ってしまうが、まあ、そういうことも当面はないだろう。
僕は、年に数回、ちくわぶをもちもちくちゃくちゃと食べられればそれでいいのである。よほどひどい内容でなければ、みんなが思い思いにいろんなことを言うほうが世の中は真っ当なのではないか、と個人的には思うのだ。
前に書いたかもしれないけど、ちくわぶって「食べないと人生の半分損をするよ」という類の食べ物ではないし。

唐突ではあるが、このブログの連続更新記録が、今回でちょうど100回になるのである。
区切りもいいし、当「平熱通信」は今回で最終回ということにした。

ちらりとでも読んでくれた方、どうもありがとうございました。とてもうれしかったです。
とはいえ、僕はここウン十年、自分のサイトを欠かしたことがない(開店休業状態のものばかりだったけど)ので、しばらくしたらまた新しいサイトを立ち上げるような気がします。その時に、縁があったらまたよろしくお願いします。

それでは。

前後不覚で五里霧中。

ここにこういう文章を書きはじめてそこそこ日数が経つわりには、書いた文章の出来がいまだによくわからない。
下手は下手なりに、「今日はわりとうまく書けた」とか「今日はイマイチだった」とか、そういうことがわかるといいのだが、よくわからないのだ。
時々、「今日は小説っぽく書いてみよう」とか「今日はエッセイ風に書いてみよう」とか「今日はいわゆるブログらしく書いてみよう」というようなささやかな実験をしてみるのだが、実験の結果がうまくいったのかどうか、これまたさっぱりわからない。
(ちなみに、極端にダメな日というのもあって、それはすぐわかる)

もしかすると、そこそこ達成感があるのがいけないのかもしれない。
書くことを探すのに苦労した日は、少ない材料でなんとか書ききったという達成感。
反対に、書くことがあり過ぎる日は、長くなりすぎないようになんとか要約したことへの達成感。
どちらにせよ、「なんとかできました」という達成感がジャマをしているのかもしれない。期末テスト期間の最終日のようなものだ。テストの出来はともかく、この期間を過ごし切ったという達成感でテンションがあがるあの感じだ。

とはいえ、ブログの記事を書くアプリに採点機能みたいなものが実装されて、文章を書いたあとに「公開」ボタンを押すと、
「コノ文章ハ公開デキルれべるデハアリマセンガ、シカタナク公開シマス。30点」
……などと表示されたりするのもなかなか大変そうだ。

言葉を組み合わせて文章を作るという作業はなかなか面白い。僕の場合、どうしても「ない知恵を絞って」という感じになってしまうので、それなりに疲れることも多いのだが、好きな作業といっていいだろう(それがたとえ「ちくわぶが好きなんです」というような内容だったとしても)。
だからまあ、「今日もなんとか書けました」という時点でそれなりに満足はしているのだが、例えばジョギングを趣味としている人が、「昨日よりもちょっといいタイムになったぞ」と確認するような、そういう動作に少し憧れたりもするのである。時々ですが。

それにしても。
コンピュータが発するセリフ(コノ文章ハ公開デキルれべるデハアリマセン……)をついカタカナで書いてしまう自分に軽く驚いてしまった。さすが昭和世代。