平熱通信:旧

ここは世界の片隅にすぎないが、いろんなことが起こる。

スプリンターは夢の中。 

夜、寝ていると、犬がフトンに入ってくるようになった。
いよいよ、さすがに、とうとう、夏も終わりということでよろしいでしょうか、天気担当の神さま。
会社近くの公園では、まだヒマワリが咲いておりますが、それはまあレアケースとして、基本的には、秋、ということでよろしいでしょうか、全国の気象予報士のみなさま。
……と、誰かに確かめたくなるくらい、秋のはじまりと夏の終わりを何度も繰り返したような気がする。今年何回目かの夏の終わり。何度も繰り返される同じような出来事。
時をかける少女』、『うる星やつら2 ビューティフル・ドリーマー』。
それにしても、出てくる映画のタイトルが古い。最近の映画だとばかり思っていた『時をかける少女』だってもう10年前だ(細田守のアニメ版で換算)。月日が経つのははやいなあ。

ところで、犬が暖を求めてフトンに入ってくるのはいいのだが、できたら、フトンにもぐりこんだ後、頭を出してもらいたいのだ。
フトンから頭を出して寝ている犬。これはなかなか可愛らしい状況である。無心に眠っているその顔を見ている飼い主も癒されるというものだ。
では、我が愛犬は、僕のフトンに入ったときにどういう状態で寝ているのかというと、入ったままなのである。つまり、フトンの端から出ているのは後ろ足の先部分なのだ。一応、犬がフトンに入るたび、「顔を出して寝るように」と伝えてはいるのだが、なにせ日本語による伝達なのでなかなか伝わらない。頭はフトンの奥深くにあるので、そのうちに寝苦しくなって出てくることになるのだが、そうならないためにも、ぜひとも頭を出して寝る就寝法をおすすめしたい。

そもそも、フトンから足先だけ出ているという状態は、けっこうやっかいなのである。
どうやら、彼女(メス犬なので)は時々、夢の中で走っているらしいのだ。何かを追いかけている夢でも見ているのかもしれない。その際、眠っているにも関わらず四本の足をバタバタ動かすのだが、そのうち後ろ足部分が、眠っている僕のアゴあたりに直撃するのである。
眠っている最中のことなので、それほど力強いものではないし、爪の先も丸まっているので蹴られたところでそれほど痛くはない。
ただ、とてもビックリする。
眠っている間のことなので、怒るわけにもいかず、まして夢の中で何かを捕まえようとしている最中かもしれないので起こすわけにもいかず、とりあえず、蹴りが入らないところに僕が移動することにしているのだが、あれはできればやめていただきたい。
なぜなら、ものすごくビックリするので。