平熱通信:旧

ここは世界の片隅にすぎないが、いろんなことが起こる。

久々浦島太郎状態。

 友人のご好意で、我が家のパソコンの性能が少し良くなった。

 少し良くなった分として、ビデオカメラがつなげそうな端子が増えたので、接続してみる。

 ビデオ編集ソフトの体験版をいくつかダウンロードし、見よう見まねでちょこちょこと動かしていたら、DVDが出来てしまった。

 ビデオカメラから映像を取り込んで、シーンの切れ目にちょっとした特殊効果を入れ、何箇所かタイトルを入れただけなのだが、完成したDVDが、普通にDVDプレイヤーで再生できた時には、思わず「すげえ」と呟いてしまった。

 言うまでもないことだが、この「すげえ」は「すげえ簡単」のすげえである。DVDの内容が「すげえいい」ということではない。むしろ内容はヒドいもので、たとえば、どうやったらこんなに品のないタイトルが入れられるのか、自分でも笑ってしまうほどである(茶色で縁取りされた変なグリーンの文字が、画面の四方からびょーんと飛んできて中央で合体するとか、基本的には紫の字なんだけど、縁が赤くにじんでいるとか)。

 昔、こういう編集作業にちょっと興味があって、いろいろとチャレンジしてみたことがあったのだが、当時はもっとお金のかかる作業であった。そもそも、作成した映像をDVDにするためのドライブが十万円とかしたのである。

 当時からそれほどお金に縁がなかったので、途中で挫折してしまったのだが、昔といっても、それほど大昔の話ではない。二十世紀の終わり頃のお話である。

 それが今や、ソフトだけなんとかすれば、DVDくらいだったら普通のパソコンでできてしまうのだ。

 「できてしまうのだ」って、なんだか呆れるほど時代遅れな事を書いているような気がするが、「すげえ」と呟いてしまったものはしょうがない。