平熱通信:旧

ここは世界の片隅にすぎないが、いろんなことが起こる。

事件の予感。

 駅に行く途中、近道になるので通り抜ける公園がある。

 ブランコや砂場やすべり台がある、ごく普通の公園で、通り抜けるのに20秒もかからないくらいの小さなものである。昼は近所の子供たちが、夜は近所……かどうかわからないけど、どこからか集まった高校生が遊んでいるという、よくある感じの公園なのである。

 今日も、駅に向かう途中、公園の中を通り過ぎたのであるが、昼だというのに子供がいない。

 それなりの年のおじさん達が15人ほど、違和感を振りまきつつたむろしている。

 おおざっぱにいって、登山が趣味の人のようなファッションの人が多く、そういうサークルの集まりに見えなくもないのだが、のぼりのようなものを持っている人がいたり、メガホンを持っている人がいたり、のぼりに書いてある字が「断固」に見えるような気がしたり、ひらたくいって、少しあやしいのである。

 これはなんとなくあやしい、と思いはしたものの、時間もないので、なるべく伏し目がちに、顔を覚えられないように早足で通り抜けてきたのだが、おまわりさんが何人か公園のまわりをうろうろしているのは見逃さなかった。

 ということで、帰宅したらこれが何事なのか調べてみよう。