読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

平熱通信

ここは世界の片隅にすぎないが、いろんなことが起こる。

ささやかなプライド的な。

我が家の(ひょっとしたらボスの座を狙ってるかもしれない)愛犬ことくりさんは、最近、玄関で昼寝をするのがお気に入りなのである。
普段は人のいない玄関のほうが安眠を妨げられる可能性も少ないし、リビングに比べると床もひんやりしている。おそらくそのへんが気に入った理由なのだろう。なるほどね、頭使ってるね、と、飼い主としては感心したりもしたものだ。

ただ。
30分に一回くらいの頻度で、もんのすごーくさみしそうな声で、
「きゅぅぅぅぅぅ〜ん……」
と鳴くのである。なにかのタイミングで、ふと、くらーい玄関にひとりぼっちでいることを自覚するのだろうか。日本語に訳すとするなら、
「さみしいよぉぉぉぉぉう……」
もしくは、
「こわいよぉぉぉぉぉう……」
としか思えないような声で鳴くのである。
そのくせ、飼い主が様子を見に行くとピタリと鳴き止んで、普通っぽくふるまいつつ、
「くつろいでますが何か?」
みたいな顔でこちらを見上げたりする。

これはつまりアレですか。彼女は見栄を張っているということですか。
犬は犬でいろいろと大変なんだなあ、と再び感心する飼い主なのであった。