平熱通信

ここは世界の片隅にすぎないが、いろんなことが起こる。

妄誕。

  • もうたん【妄誕】〔「妄」「誕」ともにいつわりの意〕 でたらめ。 大辞林 第三版(抜粋)

「妄誕」などという言葉があるということを、ごく最近、知人から教わった。 今や僕はその言葉を知り意味まで把握したわけだが、どこでどういう風に使っていいのかもうひとつよくわからない。
ただ、別の辞書で調べると、「言うことに根拠のないこと」と解説してあり、そういう風に考えると親近感がわく、というか、仲良くなれそうな言葉のような気になってくる。そこを踏まえてこの言葉を教えてくれたとしたら、知人の洞察力はなかなかのものだといえる。

ところで、上の解説によると「「妄」「誕」ともにいつわりの意」ということらしい。「妄」はなんとなくわかるような気がするが、「誕」にもそういう意味が あるのが不思議なような気がしないでもない。
だって、「誕生」の「誕」ですよ。
そういう時に使う字のもうひとつの意味が「偽り」。
なんというか、日本語の底知れぬ奥深さのようなものをついつい感じてしまうのである。

新しく生まれるということは、一方では偽りである。

かつて、神様がこの世界を作ったとき、
「これで完成。パーフェクト」
みたいなことを言ったのかもしれない。その上で、
「これ以降に生まれたものは、神の手によるものではない。つまりは偽りのものだかんね」
と定義した上で、
「神の知るところではない偽りのものたちが、この世界をどうしようと、知ったこっちゃないもんね」
などと言ったのかもしれない。
この世界の行く末を担うのは、偽りのものたち。その代表が、僕たち人間……って、こういうことを勢いで書いてしまう感じが、つまり妄誕ということなのだろうか。