平熱通信:旧

ここは世界の片隅にすぎないが、いろんなことが起こる。

予定された週末の終末。

仕事から帰り、風呂に入った後、腰に2枚、左足の裏に1枚、サロンパスを貼る。

しばらくすると、有効成分だかなんだか、つまりはサロンパスの効き目成分が皮膚を通して体内に染み込んでいき、「おお、きいてるきいてる」という状態になるのだが、腰と足の裏ではその染み込む速度がかなり違うんだな、ということに気付く。

足の裏のほうが圧倒的に遅い。

人間の体の皮膚で一番厚いのは足の裏、というようなことを聞いたか読んだかしたことがあるのだが、本当なんだなあ、と感心する。思わぬところで検証してしまった。

 

最近、サロンパスのことを考えることが多いような気がしないでもない。

まあ、一箱買ったサロンパスが続く限りは使い続けるわけで、おまけに毎日貼っているわけでもないからそうそうすぐにはなくならない。しばらくは「サロンパスを貼る可能性がある生活」が続くわけだ。

そのうち飽きてくるのかもしれないが、サロンパスの「おお、きいてるきいてる」という感じが面白くてしょうがないのだ。あの患部がひやっとするような、すーっとするような、それでいて奥のほうがぼんやりと熱いような感じ。これが楽しくて貼っているといってもいい。正直、痛みが取れているかどうかという肝心なところにあまり関心が向いていない(ちょっと韻を踏んでみましたYO)。

 

そういえば、我が愛犬の背中後方、尻尾の付け根あたりの部分のにおいをかぐとサロンパスくさいことがある。他のどの部分よりもここのにおいが強いというのが面白いところだ。どうしてこういうことが起きるのだろう。

僕がサロンパスを貼る場所で一番多いのは腰である。

僕と犬は同じベッドで寝ることが多い。

……というあたりから推測すると、ウチの犬は、寝ている僕の腰に自分の背中をくっつけて寝ることにしているのかもしれない。飼い主のどこかに触れながら眠ると安眠できるのか、それとも僕のサロンパスの有効成分を横取りしたいのか。

そんなようなどうでもいいことを考えつつ一日が終わろうとしている。

そのうち僕が録画していたテレビ番組かなんかをベッドでだらだら見始めると、犬もベッドに上がってきて「おなかなでてくだたい」のポーズをするような気がする。

「しょうがないねえ」とか言いながらお腹を撫でているうちに、だんたん眠たくなってきて、今日という僕の一日はついに終わってしまうのだろう。