間違った休日の過ごし方。
犬にしても猫にしても、眠っているときの姿が、
「寝ている」
ように見えるときと、
「落ちている」
ように見えるときがある。
「落ちている」ように見えるのは、おそらく暑いシーズンで、たとえば、夏の昼下がり、板張りの廊下の片隅などに、「猫が落ちている」ことが多い。
眠っているというよりは落ちているように見える、というのはどういうことなのだろうか。あまり深く考えたことはないが、その差は歴然としていて、落ちているときはもう、「落ちている」ようにしか見えない。「犬猫の寝姿において、腕や足の具合がこうで呼吸がこんな感じのときに、落ちているように見える」というようなロジックをすっ飛ばして、「あ、猫が落ちている」とダイレクトに認識されるような気がする。
なんにせよ、「落ちている」ように見えるということは、どこかしら生命感が希薄になっている状態のように思える。動物よりも物にやや近くなっているということなのかもしれない。とびきり暑い日は、体に熱をためないように、体力を損なわないように、なるべく動かず、静物のように過ごす。犬も猫も大変だ。
もちろん大変なのは犬猫だけではなく、人間だって暑い日はしんどい。
こう暑いとこまめな水分補給が必要になり、大人は知恵があるので、
「どうせ水分を補給しなければならないのなら、水よりも爽快感があったほうがいいのではないか」
ということで、昼からビールなり発泡酒なり第3のビールなりに手を出してしまうのは自明の理というやつだ。
こうやって大人は何度も間違えるのである。世界から戦争がなくならないのも無理はない。
と、アルコールの影響で回転が鈍くなっている頭で考える。
明日、二日酔いにならないことを切望する。